キリリクSS 2000HT 仁さんリクエスト
ある日の風景
「ひぃぃぃぃ!!ご、ごめんなさい」
春原が、寝言で誰かに謝っていると、杏が部屋に入ってきた。
「ほぉらぁ、陽平いい加減起きなさいよぅ!!」
杏が、毛布を剥ぎ取ると、春原は、反射的に飛び起きた。
「き、杏!!」
「あんた、いったいどんな夢みてたのよ」
「いや・・・杏が僕に向かって、六法全書を・・・」
「ふ〜ん。あたしがそんなことしてる夢見てくれたんだ〜!!」
不敵な笑みを浮かべながら、どからともなく六法全書を取り出す杏。
―ふっ、今まで黙って辞書を受けていたが、今日の僕はちょっと違うぞ!!
1、あやまる
2、物でつる
>2、物でつる
「ねっ、ねぇ杏、この前欲しいっていってたあれ買ってあげようか?」
前から僕にせがんでたやつだ。これなら大丈夫・・・なはず。
「うん♪ 買って〜」
よし、表情が柔らかくなったぞ。これで一安心だ。
「約束だからね!!」
「う、うん」
「そうだ!ねぇ、陽平、明日暇?」
「特に予定ないけどどうしたの?」
「明日、朋也が渚と新しくできた水族館に行くんだけど、一緒にどうって無料券もらったんだ〜♪」
―いいのかな・・・
「本当にいいの?岡崎のこと、まだ・・・・」
春原が言い終わる前に、杏がさっき手にしていた、六法全書が彼めがけて飛んできた。
「あべしっ!!」
・・・・
・・・・
・・・・
なんか、やわらかい物が頭の後ろに当たってる。
「う〜ん」
目を開けると、杏の顔があった。
俗に言う、膝枕ってやつだ。
「さっきは、ごめんね。でも陽平が悪いんだよ・・・」
と言うと、杏は陽平の髪をなでた。
「あのね、陽平・・・。たしかに、朋也のことはまだ好きだよ。
でもね、今一番好きなのは、陽平なのよ。」
「そうなの?」
「まったく、あんたも朋也も鈍感なんだから・・・」
と言うと、杏は、顔を陽平に近づけて、唇を合わせた
「これは、さっきのお詫び」
「あっ・・・うん」
というと、陽平は顔を真っ赤にして気絶した。
コンコン
「お〜い、春原いるかぁ〜」
「こんにちは〜」
朋也と渚が春原の部屋に入ってきた。
杏があわてて、春原を床に寝かせた
朋也は、床で伸びている春原を見ると
「おい、杏。いくら春原でも仮にも彼氏なんだから、大切にしてやれよ」
「わ、わかってるわよ・・・。これは、私がキスをしたら・・・。ってなに言わすのよ!!」
朋也と渚は顔を見合わせると、
「「お邪魔みたいだし、帰ろうか(帰りましょうか)」」
「それじゃあ明日、駅前に10時な」
と言うと、部屋を出て行った。
杏は顔を真っ赤にしていたが、二人が居なくなると、陽平の頭をひざの上に乗せた
「まったく、キスぐらいで伸びないでよね」
というと、陽平の髪をなでた。
了
こ、これは夢なんだ・・・。こんな春原いやだと言う方はこちらへ
あとがき
劉孫 「・・・・・・・・・・・・・・・」
杏 「ちょっと劉孫、なに黙ってるのよ」
劉孫 「・・・・・・・・・・・・・・・」
杏 「ちょうど、新しい辞書を仕入れたのよね」
劉孫 「ごめんなさい、仁さん。リクエストはラブなのに」
杏 「このSSのどこがラブなのよ・・・」
劉孫 「次回は精進させていただきます」
劉孫&杏 「仁さん、リクエストありがとうございます。いつも以上にヘタレナSSですが、勘弁してください」